何故、進化と探索が必要なのであろうか。
進化:探索などを通じて試したことの中から、成功しそうなものを見極めてそれを深堀りし磨き込んでいく活動
探索:なるべく自身、自社の既存の認知を超えて、遠くに認知を広げていこうという行為
日本の企業は、進化がメインの業務になっており探索で反映してる会社は少ない。
GAFA、アリババやテンセントなどアメリカ、中国の新しい企業に時価総額で大きく差がついてしまっている。
企業が両利きの経営で成功するためには何が必要なのか。
「経営層のマネージメント」が必要である。この書籍のポイントです。
両利きの経営の重要性
まず初めに言います。僕は一部上場企業の部長をしています。理系ということで文章は得意ではありません。興味を持ちこの本を購入しましたので読み終わったあとの、要約というより感想を書きます。
よろしくおねがいします。
本格的な要約でしたら、要約サイトを紹介します。僕も会員になって活用しています。
1冊10分 本の要約flier(フライヤー)こちらで本格的な要約が書かれています。
さて、両利きの経営の必要性ですが、時代の流れに要因があります。
物があふれる現在と、新しい技術で作れば売れる昔との違いです。電気や電話はアメリカで50%普及するのに50年かかっています。
自動車については90年以上かかっています。
ということは会社を起業したら、もしくは新しく事業を始めたとしても一つの製品を時間をかけて開発、販売していけば競争はありますが50年以上は新たな需要があるということですね。
このような時代には、会社は製品をどんどん進化していけばいいのです。新たな事業など考えずに一つの事業(製品)の普及率、シェアを獲得するために。
しかし、携帯電話、パソコン、インターネットはどうでしょう。
同じアメリカの比較ですが、携帯電話は50%の普及までわずか14年。インターネットは10年です。
携帯電話の事業で会社を立ち上げても、20年も立たないうちに普及てしまうのでその間に携帯電話で生き残れるのか、撤退せざる得ないのかが決まってしまうのです。
ゆっくり戦略、戦術を練っている暇はないのです。
このような、スピードのある時代だからこそ両利きの経営(進化と探索)が必要になってくるのです。
両利きの経営 イノベーション
スピードのある時代において、進化だけ行い一つの事業の磨き上げだけを行っていたのでは、競争での敗北や破壊的イノベーションによってあっけなく収益源が立たれる可能性があります。
それを回避するために、成熟事業で収益を上げている間(競争している間)に、新規事業を探索しなければならないのです。
あたり前のことなのですが、多くの企業が進化に資源をつぎ込み新規事業の探索を目を向けることが出来ないのです。
何故でしょうか。
この書籍”両利きの経営 「二兎を追う」戦略が未来を切り開く”では、サクセストラップが邪魔をすると言っています。
サクセストラップ
皆さんの会社の経営陣はいかがでしょうか?
「新しいことをやれ!」と言いながら、新しい提案を持っていくと「儲かるのか?」「もっと考えてみろ」と言われませんか。
ベンチャー企業を除く多くの日本企業は、ゆっくりとした進化だけで今の規模になっているのでしょう。その進化を実行してきたのが今の経営陣。
自分たちの経験が”サクセス”なのですね。
なので、成功体験が邪魔して経験していない事をやりたがらないのです。
今の事業に近いところ以外はやらない(やる勇気がない)。ということはいつまで立っても探索には手が出せないのです。
この書籍では、このような状況を”サクセストラップ”と言っていますが、よくある話に名前をつけただけでしょう。
両利きの経営が何故出来ないか
まず、利益の出ている企業。
利益の一部を新規事業に回せばいいだけの話ですが、これが出来ないのです。
経営陣の気が向いた時だけ、会社のアピールも含めて「イノベーション事業部」などという部署を作ったりして満足していますが、いざお金をかけようとするとSTOPがかかる。
結局その資源を既存事業に回して、少しでも増収・増益になるように小手先を使うわけです。
資本主義社会の悪いところかもしれません。
四半期ごとの業績を気にして、数年先の事に目を向けられなくなってしまうのです。
頭では分かっていても、自分か経営している間は…
となってしまうのでしょうね。
両利きの経営を始める
そもそも、進化と探索ではまったくアプローチ(戦略)が違うのですから受け入れられるのは容易ではありません。
それでは、未来のある自分たちはどのように始めたらいいでしょう。
「新規事業は若手にやらせよう!」という経営陣が多くないですか?
スタートはそれでもいいです。
この書籍にかかれていますが、経営陣を巻き込まないとうまく行かない。
この書籍のポイントですね。
「経営陣が本気を出さない限りうまくいかない」
管理職クラスが、社内に味方を多くつけスモールスタートで行うしかないでしょう。
机上ではなく、少しでも収益が出てくれば興味を示さなかった経営陣が、1人、2人と味方になってくるはずです。
若手だけではなく、社内に顔が利く管理職も含めてスモールスタートで行いましょう。
両利きの経営の事例
この書籍には、有名な事例の富士フィルムとコダックや新聞社、腕時計の事例などたくさんの企業事例が書かれています。
Amazonの事例は成功事例として多く書かれています。
ベゾスの言葉ですが、
「ゆっくりと安定的に進んでいけば、時間とともに、どのような挑戦にも食い込んでいける。私がすべてのアイデアを持っているわけではない。それが私の役割ではない。私の役割は、イノベーションの文化を構築することだ」
両利きの経営より
ベゾスがすべての事業を把握しているのではなく、文化を構築し新規事業の提案を受け入れているのです。
ECサイトとして成功していますが、アメリカではフリマサイトを行おうとしてイーベイには勝てなかったそうです。
大小多くの失敗を経験していると思いますが、失敗の体験も含めて成長しているのですね。
以上が僕の要約というより、感想になってしまいました。
同じような考えを持ってる方がいたら幸いです。
ありがとうございました。
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