イノベーションのジレンマの要約 クリステンセンのまとめ

イノベーションのジレンマの要約book

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「偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗する」

この本の表紙をめくると、この言葉が書かれています。

すべてを正しく行うと失敗する?

どういうことでしょうか?

一部上場企業で部長として勤めている僕が、この本の要約(要約というよりも感想が多めです)を書きますので興味があれば読んで下さい。

イノベーションのジレンマの著者は”クレイトン・クリステンセン”で、ジョブ理論の執筆しておりご存知ではないでしょうか。

ジョブ理論に関してはこちらを参考にしてくだい。こちらも勉強になりました。

僕はサラリーマンであり要約というより感想がメインになってしまうので、本格的な要約が読みたいのであれば、

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こちらのサイトがおすすめです。要約を専門に扱っており一部ですが無料で読むことが出来ます。

さて、本題に入ります。

イノベーションとは

まず、イノベーションと聞いて新しい革新的な技術と思っていませんか?

自社の技術人には、そんな最先端な技術を発明を出来そうもない、そんな資産もない。

そうではないのです。

組織(会社)が労働力、資本、原材料、情報を価値の高い製品やサービスに変える”プロセス”全てを意味し、これらの変化を「イノベーション」と言っているのです。

ですからハードルが高いものではなく、製品であったり、マーケティングであったり、経理であったり、製品やサービスを作り出し、顧客に販売しているあらゆる人がイノベーションを起こす対象となるのです。

イノベーションは多種多様な業種や職種の人が対象であると思って下さい。

イノベーションのジレンマの要約

最初の文章の、「偉大な企業は正しく行うが故に失敗する」

なぜかというと、一度成功を収めると失敗をなくすシステム(組織)を作り上げ、風土化されていきます。その成功事例が、破壊的なイノベーションに直撃されたときに対応できなくなってしまうからです。

多くの成功を収めた企業は、成功した製品(サービス)を持続的に成長させていくのです。

携帯電話もそうでした。

市場が出来上がり、所有率が上がると各社が1gを争う軽量化競争に陥りました。

我々顧客も少しでも軽いものを選んで購入しました。

しかし、今ではどうでしょう。スマホに置き換わりましたが重量なんて気にせず、カメラの画質やもっというと画面が大きくて見やすいものを選ぶようになっている。

結局、携帯電話の軽量化競争は顧客の要望を技術が超えてしまったのですね。

いつもまにか顧客は軽量化を望まなくなった。

多くの企業が持続的なものづくりに陥り、テレビは薄いもの、冷蔵庫は静かなもの、車は燃費がいいもの…

メーカー(企業)にとって、製品開発やマーケティングはこのような戦術が楽なのです。

この考えは間違ってはいないが、この考えだけでは企業は存続できないということです。

破壊的イノベーションの事例

この書籍には、企業の失敗事例としてコンピュータのディスクドライブ(メモリー)を例にしています。

当初は14インチのサイズでした。企業はデータの保存容量を増やすために、試行錯誤しながら技術を積み上げていった。

年々データの保存容量をあげていき、ニーズに答えてきたが次第にニーズより遥かに超えたデータ容量の保存が可能になってきた。しかし企業は競争のために保存容量を増していき、ユーザーにとってもコストパフォーマンスの高いディスクになっていった。ただし、それほどの保存容量はすでに必要のないものになっていたのです。

その頃、市場では14インチよりサイズが半分近い8インチサイズのものが他のメーカーから発売された。

8インチサイズのディスクドライブは新規参入のメーカーが技術力がない為、データ保存容量が少ない。しかも容量あたりのコストが高い。

したがって、14インチ製造メーカーは技術的には製造可能であるが見向きもしない。

データあたりのコストも高く、顧客と自社のメリットが見いだせなかったからだ。

しかしこの8インチのディスクドライブは小型のメリットが価値となり、ポータブルコンピュータへ採用になり需要を伸ばした。

14インチ製造メーカーも、8インチ製造メーカーもポータブルコンピュータ(小型コンピュータ)が需要を伸ばすなど当初は想像もしなかった。

8インチ製造メーカーが、どこかに需要はないか探し回ったのだ。

需要が増えると、技術革新も早まり物足りないデータ容量も格段と増えていく。

その後、8インチが5.25インチ、3.5インチ、2.5インチとどんどん小型化され、新しい需要へと変わっていきました。

小型のディスクは、保存容量の価値ではなく小型化や消費電力の少なさの価値により、容量あたりのコストメリットがなくても選択されたのです。

持続的イノベーションと破壊的イノベーション

ディスクドライブの例がこの書籍に何故取り上げられているかというと、変化のスピードが急速でイノベーションの事例として適していたからのようです。

経過時間に違いはあっても、このように技術的には可能であっても気づいた時には市場を独占されているケースが多いのです。

このディスクの例を上げると、

1.記憶容量の競争

2.大きさの競争

3.信頼性の競争

4.価格の競争

このように、変化する価値に対応できないと取り残されてしまうのです。

購買階層 製品進化モデル (ウインダミア・アソシエーツ)

ウインダミア・アソシエーツが「購買階層」という製品進化モデルを作成したそうです。

まずは要求を満たす機能があるのか。機能を満たす製品が多く現れると、次は信頼性に基づいて製品を選ぶ。信頼性(故障もなく、耐久性も良い)が満足する製品が多く現れると、次は使いやすい製品(利便性)を重視する。最終的にすべてが満足されると価格へと移る。

これは多くの製品に当てはまっているのではないでしょうか。

機能→信頼性→利便性→価格

価格競争に陥ってしまっている製品はたくさんありますよね

価格競争に陥り、利益を減らすのを避けるためには競争を避けることが重要です。破壊的イノベーションはそのひとつなのです!

しかし、偉大な企業は持続的な製品開発しかできない。出来るのに出来ない。目を向けない。

そこが「ジレンマ」なのです。

イノベーションのジレンマの要約(ポイント)

第一

市場が求める、あるいは市場が吸収できる進歩のペースは、技術によって供給される進歩とは異なる場合がある。

第二

イノベーションのマネージメントには、資源配分プロセスが反映される。

第三

破壊的イノベーションを成功させるためには、現在の主流顧客のニーズに合わせないで、新しい市場を開拓する。

第四

破壊的技術によって生み出された市場は、既存の水準、能力に当てはめてはならない。別の次元で別の能力が必要とされる。

第五

大規模な投資をせずコストをかけずに素早く柔軟に進出する。学習と挑戦を繰り返す余裕を持つ

破壊的イノベーションを起こすためには、小さなスタートが必要です。8インチディスクもそうですが、需要がどこにあるかはわからなかった。

未来のことは誰もわからないのです。

始めから大きく儲けようとしたら、結局何も出来ない。

小さなスタートを勉強だと思って投資し、改良を重ねながら市場を探す。だめならスタートに戻る。

この繰り返しが長く存続しようとする企業には必要なのでしょう。

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