2017年1月1日
株式会社タニタの個人事業主制度が始まりました。
2016年の9月から全社員に説明を始め、「やってみたい」と手を挙げた人は8人。
8人の個人事業主のスタートです。
1.株式会社タニタとは
タニタと言えば、
体脂肪計!ですよね。
公式Twitterやタニタ食堂でもご存じの人が多いでしょう。
従業員約1,200人、売り上げ約200億円の会社です。
体脂肪計(ヘルスメーター)がヒットしたときは、約300億円の売り上げがあったそうです。
ちなみに、社長さんの名前がタニタ(谷田さん)だったのですね。現社長の谷田千里さんは、3代目の社長さんです。
2.タニタの個人事業主とは
自営業やフリーランスと似ていますね。
個人事業主は自営業の一種ですが、個人の立場で事業を手掛けている場合に用います。
個人と言いますが、従業員がいても構いません。
フリーランスは個人事業主の一種で、時間単位で自由に働く人の事を言います。
自営業、個人事業主、フリーランスは区分が違うので一概に分類は出来ないのです。
タニタの場合は、会社を辞めて個人事業主になりタニタで今までのように働く。後ほど説明しますが、会社を辞めていますので他の会社の仕事をしてもいいし、契約業務以上の仕事をすれば追加でお金がもらえます。
「開業届」を税務署に出すだけで、「個人事業主」です!
3.タニタの個人事業主制度の始まり
電通でも個人事業主制度が始まりました。最大で10年間一定の報酬が約束されるそうです。230人が応募し2021年1月からスタートしたそうです。
リストラではないとのことですが、詳細は不明です。
株式会社タニタは会社の組織を見直し、「働く人が仕事に対して報われ感を得ることにより、自ら成長する。」そうすることで会社も成長し存続できると考えました。谷田社長のベースとなる考えを二つ紹介します。
働き方改革:残業時間
働き方改革=残業削減ではない!
同感でございます!
僕は、古い人間なので仕事がトラブっているのに、サクサク定時で帰るメンバーを見ると「ムッ」って心の中で感じてしまいます。
心の中だけです。
別に明日でもいいのですが、平気で帰る気持ちが理解できないのです。
つい、頑張っていない人と思ってしまうのです。
今は残業削減が当たり前になって、我が社でも残業を極力減らすようにトップの指示が出ています。
しかし、谷田社長が言うように時間の問題ではないのです。
自分から始めた仕事は残業になっても疲れない(もしくは心地よい疲れ)のに対して、やらされる仕事は苦痛なのです。
だから、一概に時間で判断してはいけないのです。ただし、やりすぎると僕のように病気になってしまいます(笑)
経営者の指針は残業時間しかないから、しょうがなく残業時間を減らすように言い、その代わり効率よく8時間働く工夫をしなさいという事なのですよね。本当は。
それを制度改革で行ったのが、谷田社長です。
働き方改革:給料
谷田社長は船井総合研究所に勤めている時に、父である前社長に「来て欲しい」と言われ株式会社タニタに29歳で入社しました。
その時、思いました。
えっ? 給料安っす!(泣)
社長の息子とはいえ、同性代の社員と同等の給与水準です。
前職と比べ相当低くなったのですが、さすがに文句を言わずに受け入れたそうです。
その時の思いが社長になっても残っており、社員の「報われている」感を仕事の成果に応じて感じてもらいたかったのです。
その報われ感を収入として得られるように個人事業主にして、仮に同じ仕事をしても10%程度手取り収入を増やせるようにしたのです。
この制度は決してリストラや、会社の経費削減ではないのです。
4.タニタの個人事業主制度の壁
新しいこと、いわゆる前例がないことをやるのは困難がつきものです。
僕も社長ではないですが、「こういう事をやりたい」と言って新しいプロジェクトをやらせてもらったのはいいのですが、壁に何度もぶつかり「言わなきゃよかった」なんて思ったことは何度もあります。
さすがに、社長が自ら「やる」と言ったのだから、後には引けないですね。
しかし、谷田社長の熱意で二瓶琢史さん(当時の総務部長)や、会計事務所であるエムアンドエム税理士法人の松成さんと松岡さんに協力してもらい制度改革を進めました。
一例ですが下記のような問題があり、ひとつずつ解決しながら進めているようです。
●反対する取締役たち
●社員ではないのに勝手にコピー用紙を使っていいのか!
●会社員ではないから住宅ローンが借りられない!
●社員と個人事業主の関係
5.タニタの個人事業主になった人たち
<中の人>
<西澤美幸さん>
<久保彬子さん>
<坪田将知さん>
記事作成中
6.タニタの個人事業主化、最後に
2021年で5期目を迎え、30名以上が個人事業主になったそうです。
多いと考えるか、少ないと考えるかは別問題として、株式会社タニタの業績がどう変わったのかが成果なのです。
業績は非公開なので、分かりませんがきっと成長していると思います。
最後に社長の言葉です。「谷田社長の健康の定義とは?」
幸せに自由に働き、縛られずに死ぬことです。
みなさん、分かりましたか?
株式会社タニタを気にしつつ、自分も仕事を頑張ろう思います。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
*社長の顔は、下記の購入した本の写真を使わせてもらいました。すみません。
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